アンティーク時計の傷を修理する方法|修理店へ依頼・自分で作業する
アンティーク時計
大切に使っていたアンティーク時計に傷がついた…
愛着のある時計で長く使っていれば、知らない間に傷がついてしまうこともあります。アンティーク時計ならばそれもまた味であり歴史だと思う反面、傷を綺麗にして以前のような輝きを取り戻したいと思う方も多くいるはずです。
アンティーク時計に傷がついても諦める必要はまったくありません。傷を綺麗にして、新品のように綺麗な状態に戻すことは十分に可能です。
この記事では、アンティーク時計の傷を綺麗に修理する方法を紹介していきます。知らない間に傷がついてしまった、買った時からついている細かい傷を綺麗にしたい、ガラスに付いた傷で文字盤が見えにくいという方は、この記事を最後までご覧ください。
修理店でアンティーク時計の傷を直す方法
詳しくは後述しますが、アンティーク時計についた傷は浅ければ自分でも直せます。しかし、大切にしている思い入れのある時計であれば、傷は深さに関係なく修理店でプロの手により直してもらうことをおすすめします。
ここからは、時計修理の専門店でアンティーク時計の傷を直す方法を解説していきます。
表面を研磨して綺麗にする
時計修理店でアンティーク時計の傷を綺麗にする方法は、表面を研磨することで目立たなくするというものです。これはポリッシュ、仕上げなどと呼ばれる作業で、時計修理技師の腕にかかれば傷だらけの時計であっても新品のような輝きを放つまで綺麗にしてくれます。
ちなみに、この研磨は専用の研磨機があれば理論上は素人の方でも行えます。しかし、プロの方とは腕がまったく違いますので、自分の手で研磨をしてしまうと仕上がりを崩してしまう可能性が極めて高いため、おすすめできません。傷を見えにくくするための研磨により、外観を歪な形にしてしまうことも十分に考えられます。
時計メーカーは丁寧な仕上げを研磨を使って行うため、素人とは腕が違います。研磨は表面を削ることで傷を目立たなくするというものなので、スレンレススティールやゴールドなどの金属素材であれば傷取りができますが、カーボンなどの複合素材では行えません。
自分が持っているアンティーク時計に傷が付いてしまった場合、まずは近くの時計修理店へ持っていき研磨で傷を修理できるかどうかを確認してみましょう。
費用の相場
修理店で行う傷の修理は、磨く場所やブランドによって料金が異なります。まずは見積もりを出してもらい、費用に納得してから修理が開始されます。
また、傷が浅ければ簡単な研磨ですぐに傷を解消できますが、深ければ削りすぎないような配慮が必要となりますので熟練した技術が必要になります。そのため、傷の深さによっても費用は大きく変わってきます。
アンティーク時計の傷を修理する大体の相場は1~2万円ほどですが、これはあくまでも相場なので1万円より安い場合もあれば2万円を超すケースも十分に考えられます。
傷が深すぎる場合は修理ではなく交換を提案される場合もあり、アクリル風防だけなら6,000円以上、ミネラルガラスなら10,000円以上、サファイヤガラスなら15,000円以上が相場なので、ガラスの素材によっても大きく費用の相場は変わります。
なにはともあれ、まずは見積もりを出してもらうことをおすすめします。傷の深さも素人目ではわからないため、研磨で修理できる範囲なのか交換が必要なのかを確認してみましょう。
研磨には限界がある
前述したように、アンティーク時計の傷を直すために行う研磨は表面を削り取ることで傷を見えにくくするというものです。そのため、何度も何度も表面を削って薄くなっていけば、全体的な見栄えが非常に悪くなっていきます。
一般的に研磨による修理は5回~10回が限界だといわれていますので、それ以上は傷がついても研磨で修理することは不可能です。厳密にいえば不可能ではありませんが、時計の見栄えが著しく悪くなってしまうため、おすすめできません。
ガラスなどについてしまった大きくて深い傷は早急な修理が必要ですが、その他についている細かい傷はこまめに研磨して修理しなくても良いでしょう。長く時計をつけていれば細かい傷は付き物なので、研磨の限界数などを考慮しながら傷を直すかどうか検討しましょう。
自分でアンティーク時計の傷を直す方法
愛着がある時計だからこそ自分で傷を直したい、または修理業者に依頼する費用を節約したいという方は、自分自身の手でアンティーク時計の傷を直す方法を知りたいはずです。
ここからは、業者に頼まず自分の手でアンティーク時計の傷を修理する方法を紹介します。
修理できないガラスもある
自分で傷を直す方法を紹介する前に、まず知っておいてほしいのが研磨でも傷を直すことができないガラスがあるということです。修理できないガラスの存在を知らなければ、修理する時間が無駄になるだけではなくアンティーク時計に余計な負担を与えてしまいます。
- アクリルガラス⇒傷が浅ければ自分で修理できる
- クリスタルガラス⇒研磨で傷を消すことは難しい
- サファイアガラス⇒研磨で傷を消すことは不可能
アクリルガラスは非常に軽くて加工しやすいガラスです。しかし、傷が付きやすいというデメリットがあるため、少しの衝撃ですぐに傷がつきます。小さな傷でも放っておけば大きな傷になってしまうため、アクリルガラスであれば自分の手で傷を修理して綺麗にしてあげましょう。
クリスタルガラスはアクリルガラスよりも透明度と強度が高いガラスなので、傷はつきにくいものの研磨で傷を消すのが難しいというデメリットがあります。そのため、クリスタルガラスを採用しているアンティーク時計であれば、必ずプロへ依頼するようにしましょう。
主に高級時計で採用されているサファイアガラスは、非常に硬い素材なので簡単に傷を消すことができません。そのため、傷がついたら修理業者へ持って行き交換を検討する必要があります。
研磨剤を使い磨いて直す
修理できるガラスであれば、自分の手で傷を直すことが可能です。その場合、用意しなければいけないのは研磨剤・ワックス・ファイバークロスです。
研磨剤が染み込んだファイバークロスでアンティーク時計の気になる傷を拭くだけで、浅い傷であればかなり綺麗になります。しかし、これだけでは深い傷を修理することはできません。耐水ペーパーやミニルーターなどで研磨はできますが、前述したように素人では削りすぎて外装を歪にしてしまう可能性が高いので、自分の手で傷を修理する際は研磨剤を使う磨きだけに留めましょう。
また、傷だと思っていたものが汚れやサビだったということもよくありますので、爪楊枝やブラシなどで掻き出す作業だけでもアンティーク時計は綺麗にすることができます。
根本的な傷の修理は不可能
研磨剤やファイバークロスで浅い傷は修理できますが、深い傷は自分の手で直せません。研磨をすれば直せますが、何度も繰り返すように素人の手では完璧な修理とはいきません。
そのため、アンティーク時計の傷を修理したいと考えている方は時計修理の専門店へ依頼するようにしてください。ファイバークロスを使って定期的にアンティーク時計を綺麗にする作業は問題ありませんが、傷を直す目的で行うべきものではありません。
まとめ
アンティーク時計の傷を修理する方法を専門業者への依頼と自分の手に分けて紹介しましたが、参考になりましたか?
愛着ある腕時計についた傷は早急に直したいと思うものですが、自分の手で無理して直してはいけません。研磨で周囲を削り傷を目立たなくさせるという手法が一般的なので、専門業者ではない素人が行えるものではありません。どうしても目立つ傷を直したい時は、信頼できる専門の修理業者へ依頼するようにしましょう。
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