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アンティーク時計を研磨する方法|傷が付いても綺麗に直せる!

アンティーク時計 研磨

あれ?いつの間にか時計に傷が付いてる…

どれだけ大切に慎重に使っていたとしても、身に着けていることが多い腕時計は常に傷が付くリスクが付き物。とくに作られてから長い年月が経過しているアンティーク時計であれば、すでに傷が付いている状態で販売されていることも珍しくはありません。

アンティーク時計に付いている傷はそれもまた勲章であり、共に歩んできた証として味わい深さを感じる方もいますが、ガラスの傷は視認性が悪くなるだけではなく、さらなる劣化の原因になってしまう可能性もあるため早急に直すことをおすすめします。

この記事では、アンティーク時計の傷を研磨により綺麗にする方法を紹介します。アンティーク時計の傷を直したい、傷を放置したらどうなるか知りたい、傷を直す研磨の方法を知りたいという方は、最後までぜひご覧ください。

アンティーク時計に付いた傷を放置することによる悪影響

アンティーク時計 研磨

小さい傷なら放っておいても問題ないと思っていませんか?

実はこれ、大きな間違いです。目立たない傷、小さい傷、文字盤を見るのに不便ではない傷であれば放置してしまう方も多いかもしれませんが、傷は見栄えを悪くするだけではなく、さまざまな悪影響を時計に及ぼしてしまいます。

以下の項目では、アンティーク時計についた傷を放置することで生じる悪影響について解説していきます。

水やホコリが侵入する

時計の天敵である水やホコリは、ガラスに付いた小さな傷から侵入してしまいます。

ガラスに傷が付いていない正常な状態でも、水やガラスはリューズを閉め忘れた時の隙間などから侵入し、それが蓄積することでアンティーク時計の部品へ悪影響を及ぼします。

ガラスに付いた傷を放置して水が時計内に侵入してしまうと、外部と内部の気温差によりガラスの内側が曇ってしまう結露が発生する可能性があります

結露は気温差による一時的なものなので傷が付いていない状態であればそこまで心配する必要はありませんが、ガラスに傷が付いていて長時間結露が消えない場合は、それが原因でアンティーク時計の劣化が進んでしまう恐れがあります。

文字盤にまで水が到達しているということは、サビが発生しやすくなっているということを意味しているわけです。サビは文字盤を侵食していき、見栄えが悪くなる劣化へと繋がります。

水だけではなくホコリも油断大敵です。少量のホコリであれば問題ありませんが、ガラスに付いた傷から常にホコリが時計内部へ侵入できる状態になっていれば、時計の中でホコリが蓄積して固まっていき、上手に駆動しなくなっていきます。

アンティーク時計のような精密な作りになっている機械式時計は、少しのズレで時計に悪影響を及ぼしてしまいます。付いた傷が小さくても、水やホコリが入ってしまえばそこから大きな損傷へと繋がってしまうかもしれないのです。

見栄えが悪くなってしまう

アンティーク時計の魅力は古き良きビンテージ感ですが、事故でついてしまった傷は単純に見栄えを悪くしてしまうでしょう。

もちろん、傷を魅力と感じる方も多くいます。しかし最近では状態の良いアンティーク時計もたくさん発売されていますので、あるがままのオリジナルな姿を維持しながら大切に使い続けたいと考えている方にとっては、傷は見栄えを悪くさせてしまうだけのものです

詳しくは後述しますが、ガラスに付いている傷は研磨により簡単に直すことができます。そのため、少しでも見栄えが気になってしまうというのであれば、アンティーク時計を長く大切に使い続けるためにも修理に出すことをおすすめします。

アンティーク時計の傷を研磨で解消する方法

アンティーク時計 研磨

見栄えの悪さだけではなく故障を助長する原因にもなってしまうガラスの傷ですが、浅いものであれば研磨で解消できます。ここで注意しなければいけないのは、研磨で解消できる傷は浅いものであるということです。深い傷は研磨では直せないため、新しいパーツへ交換する必要があります。

まずは、アンティーク時計の傷を研磨で解消する3つの方法について紹介していきます。

バフ研磨

バフ研磨とは、バフモーターと呼ばれる研磨専門の機械を用いて職人の手で丁寧に磨き上げる方法です。経年劣化による傷や多少のサビはこれだけで綺麗にすることができ、修理店によっては新品仕上げ、鏡面仕上げなどと呼ばれています。

新品のような輝きを取り戻すことができる研磨作業である一方、すべての素材で利用できないというデメリットがあります。利用できるのは、ステンレスやゴールドの素材で作られている腕時計のみが対象となっています。

さらに、研磨で削っていく作業になりますので少しずつ時計の表面は削れていきます。その結果、時計のエッジ部分が少し甘くなってしまう場合もありますので、バフ研磨で傷を解消しようか考えている時は事前に時計技師の方と相談してからにしましょう。

ライトポリッシュ

ポリッシュは研磨という意味なので、ライトポリッシュは軽い研磨と直訳できます。大きな傷ではないけれど全体的に経年劣化による傷が気になるなという時に最適で、バファーと呼ばれるウール製の布を装着して回転させることで磨いていきます。

注意点としては、ライトポリッシュで解消できるのは軽い傷だけという点です。凸凹が付いているような傷はライトポリッシュだけでは対処できませんので、ヤスリで加工してからこの工程で仕上げるという作業が必要になります。

バフ研磨よりも費用が安いという特徴がありますので、大きく目立つ傷はないけど全体的に細かい傷が気になるという時はライトポリッシュを依頼するのがおすすめです。

歯磨き粉を使う

歯磨き粉の中には研磨剤が含まれているため、その研磨剤を利用してアンティーク時計のガラスに傷が付いた部分を研磨して傷を削り出すことができます。

柔らかい布に歯磨き粉を付けて円を描くように優しくこすることで研磨されている状態になります。

しかし、最近は歯に優しい研磨剤が含まれていない歯磨き粉が多いことと、この方法を使うと本体の隙間や傷が付いたガラスから歯磨き粉が中に侵入するリスクがあるということを覚えておきましょう。

昔からよく言われている対処法ではありますが、おすすめはできません。しかし、どうしても業者へ依頼する費用の関係で自宅で行わないといけないという方は、細心の注意を図りながら応急処置という認識で行ってみるのは良いかもしれません。

アンティーク時計の研磨は業者へお任せしましょう

アンティーク時計 研磨

わざわざお金を払ってまで修理する必要があるかわからない…

アンティーク時計の傷を研磨してもらうべきかどうか悩んでいる方は、そんな悩みを抱えている場合が多いです。研磨には傷を直す以外にも綺麗にして輝きを取り戻すという意味もありますので、傷が付いていなくても依頼して大丈夫です。さらにいえば、定期点検のオーバーホールの時に同時に研磨も依頼するという方が多いです。

前述したように、小さな傷でもそこから水などが侵入してしまえば文字盤の汚れや劣化に拍車がかかってしまう可能性もあります。また、小さな傷であれば研磨で解消できたかもしれないのに、放置していた結果大きな傷になってしまい、研磨では直せないなんてことにもなりかねません。

研磨は小さな傷であれば削って直せますが、大きな傷はパーツを交換しなければいけなくなります。時計修理業者は無料で見積もりを行ってくれるところも多いので、まずは自分のアンティーク時計を持って行き、研磨にいくら掛かるのかを確認してみるのも良いでしょう。

ちなみに、値段の相場は10,000円から20,000円ほどです。ケースとブレスレット、ケースのみなど組み合わせにより値段が異なりますので、どこを研磨したいのかということはある程度決めておくとスムーズに話を進められるでしょう。

まとめ

アンティーク時計の研磨について紹介してきましたが、参考になりましたか?

腕時計は付けている機会が多いため、いつ何があるかわかりません。どれだけ気を付けていても落としてしまうこともあるでしょうし、どこかにぶつけてしまうこともあるでしょう。しかし、傷がついても研磨で綺麗にすることができますので、大切なアンティーク時計をオリジナルの状態で維持したいと考えている方は試してみましょう。

黒船時計店では日本最大級のラインナップでアンティーク時計を取り揃えていますので、自分のお気に入りの1本をぜひ探してみましょう。無償メンテナンス、1年保証、無期限の買い戻し保証も提供しているため、アンティーク時計を買うのが初という方でも安心です。

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