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アンティーク時計の正しい使い方と取り扱い注意点を紹介

アンティーク時計 使い方

高級腕時計は一生モノであると評されることがあります。

たしかに、歯車が緻密に嚙み合うことで時を刻む機械式時計は経年による劣化はあるものの、定期的なメンテナンスを繰り返すことで半永久的に使い続けることができます。しかし、精密に作られた味わい深さがある一方、取り扱い方にも正しい繊細さが求められます。

大切なアンティーク時計を長く大切に使い続けるためには、正しい使い方を知っている必要があります。精密機器であるがゆえ、使い方が正しくなければ思わぬ不具合を起こしてしまう原因にもなりかねません。

この記事では、アンティーク時計の正しい使い方と注意点を紹介していきます。職人のこだわりと歴史が詰まったアンティーク時計の寿命を伸ばすため、この記事で紹介している使い方と注意点は必ず把握しておくようにしてください。

アンティーク時計の正しい使い方

アンティーク時計 使い方

さまざまな定義でカテゴライズされているアンティーク時計ですが、現在は1950年代から60年代に作られた機械式時計を指すのが一般的です。機械式時計とはゼンマイを動力として駆動する時計のことで、大きく『手巻き式』と『自動式』に分かれています。

アンティーク時計を正しく使うというのは、機械式時計を正しく使うと同意義です。はじめに、アンティーク時計を長く使い続けるための正しい使い方を紹介していきます。

リューズの操作を正しく行う

時間、日付、カレンダーを合わせるために操作するリューズは、アンティーク時計においては不可欠なパーツです。なぜなら、リューズを操作してゼンマイを巻き上げるからです。

アンティーク時計を動かすためには、動力源であるゼンマイを巻きあげる必要があります。そのためには、リューズの操作を正しく行える方法を覚えておきましょう。

そもそもリューズとは、文字盤でいうと3時の隣に付いている突起物のことです。自動巻きでも手巻きでもまずはこのリューズを回し、ゼンマイを巻きあげましょう。自動巻き時計でも手巻きする理由としては、ある程度はゼンマイが巻かれている状態でなければ精度を保てないからです。

リューズは、合わせたい操作内容に応じてつまみを引き上げたり押し込んだりします。

  • 1段階目⇒ゼンマイを手巻きする
  • 2段階目⇒日付を合わせる
  • 3段階目⇒長針と短針を合わせる

何もしていない状態でリューズを回すとゼンマイが巻きあげられます。次の段階では日付を合わせることができ、そこからさらに次の段階で針を合わせることができます。

アンティーク時計におけるリューズの正しい使い方としては、毎日決まった時間に決まった回数を巻き上げるというルーティンを作ることをおすすめします。大体40~50回くらいで手巻きは完了するため、決まった時間に巻くようにすると巻き止まりなどのリスクにも備えることができます。

衝撃を与えないようにする

アンティーク時計は普通の時計よりも衝撃に弱いため、スポーツをする時などは必ず腕から外すようにしてください。

機械式時計の中には約0.1㎜にも満たない「ひげゼンマイ」があり、それ以外にもデリケートで緻密な部品が多く内蔵されています。縦や横の動きに弱いため、スポーツのような激しい動きにはまったく対応できません。部品が内部で破損してしまう可能性があるだけではなく、ズレて動かなくなってしまうリスクも考えられます

そのため、普段から衝撃に関しては細心の注意を図りながら使う必要があります。注意しなければいけないのは衝撃だけではなく、水、ホコリ、磁気も同様です。

アンティーク時計は防水性が低いため水が中に侵入するとサビの原因になります。内部部品が錆てしまうとうまく嚙み合わなくなる要因になるだけではなく、劣化にも繋がります。ホコリもサビと同じで、内部で蓄積することで部品のズレや止まりに繋がります。

また、アンティーク時計は磁気にも近づけ過ぎないようにしましょう。詳しくは後述しますが、磁気帯びという症状で時計が動かなくなってしまうリスクがあります。

定期的なオーバーホールは不可欠

アンティーク時計を長く使い続けるためには、定期的なオーバーホールが不可欠です。

オーバーホールとは、繊細な歯車の集合体である時計を部品単位まで分解し、洗浄や点検などを行い再度組み立てるという作業です。アンティーク時計のような古い時計の場合、オーバーホールにより不具合を早期発見できるだけではなく、内部の部品を綺麗に洗浄して油を注入することで長く使い続けられるようになります。

内部構造が複雑な多くの機械式時計は4年から5年に1回のオーバーホールが推奨されていますが、アンティーク時計のような古い時計はそれよりも早い3年に1回くらいの周期で定期的にメンテナンスすることをおすすめします。

アンティーク時計を長く、正しく使うためにはオーバーホールは不可欠です。正規メーカーよりも時計修理業者の方が安く早く仕上げてくれることが多いため、腕のいい技師が在籍する行きつけの修理業者を見つけてみるのも良いかもしれません。

アンティーク時計の取り扱い注意点

アンティーク時計 使い方

正しいアンティーク時計の使い方を上記で説明してきましたが、ここからは取り扱い注意点を紹介していきます。注意点を理解することで、より長く使い続けることができます。

磁気の影響を受ける場所に置かない

磁気は時計の天敵ですが、作られてから長い年月が経過しているアンティーク時計は磁気の影響を受ける場所へ置かないように気を付けてください

最近の時計は磁気の影響を受けない真鍮やプラスチックでムーブメントが作られていることも多いですが、アンティーク時計は違います。そのため、磁気の影響を受ける部品が多く内蔵されています。

とくに気を付けてほしいのがアンティーク時計を保管する時で、すぐ近くに以下の電子機器がないことを必ず確認するようにしてください。

  • スマートフォン
  • スピーカー
  • タブレット端末
  • ノートパソコン
  • 健康磁気製品

他にも強い磁気を発する電気かみそりなども近くにあると危険です。基本的には5センチから10センチ離せば安心なので、アンティーク時計を磁気に近づけないように努めましょう。

巻き止まりに注意する

機械式であるアンティーク時計を駆動させるためにはゼンマイを巻きあげなければいけませんが、この時に注意しなければいけないのが巻き止まりです。

巻き止まりとは、ゼンマイがすべて巻き上がっている状態のことです。すべて巻き上がっているにも関わらずそこから無理をして巻いてしまうと、ゼンマイの破損に繋がります。メーカーによってはリューズの巻き上がりによる破損を防止する工夫が取られているものもありますが、アンティーク時計の場合はそのような工夫が施されていない場合がほとんどです。

通常40回程度リューズを巻けばゼンマイは巻き上がるため、それ以上は無理をして巻かないようにしてください。

水が入ってこないようにする

防水パッキンの劣化によって水は時計内部へ侵入し、サビなどの原因になります。

とくに経年により劣化が進んでいるアンティーク時計の場合、防水パッキンの不具合による水の侵入は死活問題です。湿気、汗、生活水など、日常生活で気を付けなければいけない場面は多くあります。

完全に水が入ってこないようにするのは不可能ですが、気を付けることはできます。たとえば汗をかいている時はこまめに吹く、または湿気が多い場所へいかない、雨が降っている時はつけないようにするなど、これらの努力で時計内部への水の侵入を防げます。

防水加工は経年劣化によりなくなっていきますので、アンティーク時計をつける際は水へ細心の注意を図るようにしましょう。

まとめ

アンティーク時計の正しい使い方と注意点を紹介してきましたが、参考になりましたか?

最近発売された現行モデルとは違うアンティーク時計は、取り扱い注意点が多く面倒だと感じる場面も多いかもしれません。しかし、それが味でもあり、その時計が長い歴史を積み重ねてきた証明でもあります。

定期的なオーバーホールを続けることで半永久的に使えるアンティーク時計は、常日頃から正しい使い方と注意点を心掛けることで末永く愛用できます。

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