アンティーク時計をセルフクリーニングする方法
アンティーク時計
アンティーク時計は新品の時計に比べれば比較的安価で手に入ることや、大量生産とは違い手間をかけて生み出された機械式時計に魅力を感じてコレクションする方も多いアイテムです。
そんなアンティーク時計を、できる限り綺麗に使用したいと考えていても、腕に身につけるものなのでどうしても汚れが目立ってしまいます。
この記事では、アンティーク時計をセルフクリーニングする方法と、必要な道具についてご紹介します。
お気に入りの時計を長持ちさせるためにも、自宅でのセルフクリーニングの方法をぜひ参考にしてみてください。
時計が汚れる原因
実は時計は、使用したらその日のうちに綺麗にすることを心掛けるだけで、長持ちの度合いは変わってきます。
時計は次のような原因で汚れてしまいます。
- 汗
- ホコリ
- 紫外線
- 雨などの水気
肌に密着させて使用する腕時計は、汗や皮脂による汚れが付きやすくなり、とくにベルト部分が汚れやすくなります。
錆びに強いステンレスやチタン、金メッキのバンドでも、汚れた状態を放置していれば錆び、痛み、臭いの原因となります。
革のベルトは、汗が染みこんで雑菌が繁殖することで汚れが目立つようになります。
さらにそれらを放置していることで、ベルト部分が壊れてしまうこともあるので注意が必要です。
また、長時間紫外線を浴び続けることによって、文字盤に日焼けが発生する場合もあります。
さらに、アンティーク時計は防水性が高くないことがデメリットの一つでもあるため、雨や湿気にさらされ続けていると、錆びが発生する可能性もあります。
クリーニング時におすすめのアイテム
クリーニングには専用の工具が必要なわけではなく、比較的手に入れやすいもので簡単に時計を綺麗にすることができます。
ここからは、クリーニング時におすすめのアイテムをご紹介します。
つまようじや歯ブラシ
つまようじや歯ブラシは細かい場所を掃除するのに最適です。歯ブラシはできるだけやわらかい素材のものを使用することをおすすめします。
ブラシに関しては時計のクリーニング専用のブラシも発売されているため、専用のブラシをもっているという方はもちろんそちらを使用して大丈夫です。
拭き掃除だけでは届かない細かい部分を掃除する際に、このようなアイテムがあると役立ちます。
マイクロフファイバークロスやセーム革
マイクロファイバークロスは、柔らかく超極細繊維のクロスのことです。超極細繊維が、付着している皮脂や目に見えないホコリまでふき取ってくれるアイテムです。
セーム革は、シリコン加工が施された天然の鹿革で、時計に傷をつけずに全体を綺麗にふき取ることが可能です。
どちらも中性洗剤で洗うことで繰り返し使用できるため、使用都度道具の手入れも行いましょう。
アンティーク時計のセルフクリーニング方法
大事なアンティーク時計を長く使用するためには、セルフクリーニングによって汚れを綺麗に落とすことが重要です。
ここからは、アンティーク時計のセルフクリーニング方法をご紹介します。
ケース全体
時計のケースとは、文字盤の上にかぶさっている透明な風防、ベゼル、裏蓋のあたり全体を指します。
ケースのクリーニングは、まずベゼル部分に差し込んだつまようじで汚れを浮かせましょう。
その際、つまようじの先で時計を傷つけないように力を入れすぎないことが重要です。
さらに、浮いてきた汚れを乾いたブラシで掻き出し、クロスやセーム革でふき取るようにします。
ケースをお手入れする際には、必ず乾いた布を使用するようにしましょう。アンティーク時計の中の、文字盤やムーヴメントの中に水が入り込んでしまうと危険です。
風防
風防は、乾いた布で拭くことで、風防についてしまった汗や皮脂を落とすことができます。
風防を拭く際に注意したいのは、水気があるものを使用しないことです。時計内部に水が入り込んでしまうと、故障の原因となるので注意しましょう。
また、プラスチック風防の小さな傷は研磨することで取り除ける場合がありますが、深い傷まではとることができないことや、刻印を削ってしまうこともあり得るため、ご自身で風防の研磨をする際は細心の注意を払って行う必要があります。
ベゼルやリューズ
ベゼルは時計本体と風防の周りにあるリング状のパーツのことで、リューズ(龍頭)は針や日付を操作する部品です。
とくに回転式のベゼルには汚れがたまりやすいため、ブラシやつまようじで優しく汚れを取り除きましょう。
リューズは根元部分に注意しながら、清掃しましょう。リューズロックを外すと引き出すことが可能ですが、引き出してしまうと反対に汚れが入り込んでしまうことも考えられるため、中の汚れを掻き出すような方法ではなく、ブラシやクロスを使用して優しく行うようにしましょう。
金属ブレス
金属ブレスは乾いたクロスで裏表を丁寧にふき取り、さらに歯ブラシやつまようじを使用して細かいコマの中に溜まった皮脂や汚れを綺麗にしましょう。
さらに、金属ブレスは時計本体から外してしまえば水洗いが可能です。汚れを落とすために重曹や眼鏡クリーナー、超音波洗浄機を使用するのもおすすめです。
時計本体から取り外す際は、慣れていないと中のバネを紛失してしまったり、時計本体を傷つけてしまったりする可能性があるので注意しましょう。
また、水や重曹、眼鏡クリーナーなどを使用したあとは、乾いた布でふき取り、冷風のドライヤーで乾かすなどして完全に水気を取り除くようにしましょう。
少しでも水気が残っていると、錆びの原因となるので注意が必要です。
皮ベルトの洗浄方法
皮ベルトはとくにお手入れをしっかりすることで長持ちするのでお手入れ方法を覚えておきましょう。汗や水分に弱い素材なので、夏場の暑い時期にベルトに汗が付着してそのままにしておくと、ひび割れや変色などのトラブルを引き起こす可能性もあります。
皮ベルトのお手入れは、まず乾いたタオルで汗をやさしくふき取ります、さらに、臭いが気になる際は皮ベルト用の消臭スプレーを使用するとよいでしょう。
消臭スプレーが用意できないときには、重曹を薄めてスプレーボトルに入れれば消臭スプレーの代わりにもなります。
スプレーしたあとは、直射日光は避け、日陰の風通しがよい場所で干すようにしましょう。
自分でバネ棒外しを使用する場合は注意
前述したように、時計のベルトはバネ棒を外すことで時計本体から取り外すことが可能です。
ベルトをよく交換している方や、バネ棒外しに慣れている方は、清掃を行う際も問題なく時計本体とベルトを分けて清掃することができますが、バネ棒外しに慣れていない方は注意が必要です。
バネ棒は、専用の工具を用いて外します。
バネ棒を外す際に一番多いミスが、バネ棒を飛ばしてしまいどこにいったかわからなくなったというトラブルです。
そのため、バネ棒を外す際には周りを片付け、整理整頓してから行うことや、ゆっくり丁寧に心がけましょう。
時計は3~5年ごとにオーバーホールが必要
ここまでご紹介したように、大切な時計は自分である程度綺麗にクリーニングすることが可能です。しかし、定期的にオーバーホールをすることで、長期間利用することができます。
オーバーホールの中には、分解、洗浄、点検、調整が含まれているため、オーバーホールに出すことで不具合を発見でき、綺麗に洗浄してもらうことも可能です。
機械式時計は完全に停止してからのメンテナンスではなく、定期的(3~5年)にメンテナンスすることをおすすめします。
日々の汚れをご自身でクリーニングすることに加えて、プロの技術によって定期的にオーバーホールを行い、大切な時計を長く使い続けられるようメンテナンスしましょう。
まとめ
アンティーク時計をセルフクリーニングする方法をご紹介しましたが、参考になりましたか?
セルフクリーニングの方法を知っておくだけで、アンティーク時計をより長持ちさせることが可能です。
腕時計は肌に直接つけるものなので、皮脂、汗、紫外線、ホコリなどに常にさらされている状態です。
放っておくと錆びてしまったり、日焼けしてしまったりして時計が傷む原因となります。
お気に入りの時計を日々のクリーニングによって長持ちさせましょう。
アンティーク時計に興味がある方は、日本最大級の品揃えを誇る「黒船時計店」をぜひご利用ください。
世界のブランドウォッチを、充実のラインナップでお待ちしておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。