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アンティーク時計のムーブメントを交換する方法|種類や必要性も合わせて解説

アンティーク時計 ムーブメント交換

時計の心臓部であるムーブメント。

車でいえばエンジンのような役割を果たしているムーブメントは、アンティーク時計に限らず現存するすべての時計になくてはならない不可欠な部品です。

作られてから長い年月が経過しているアンティーク時計の場合、経年劣化により動きが鈍くなっていたり、まったく動かない時もあります。外装や見た目だけを気にする方も多いですが、普段は目にする機会がない駆動を司るムーブメントも非常に奥が深く面白いものです。

この記事では、アンティーク時計のムーブメントを交換する方法を紹介していきます。ムーブメントの種類や特徴、交換する必要性についても合わせて紹介していきますので、アンティーク時計を持っている方も購入を検討している方も、ぜひ最後までご覧ください。

そもそもムーブメントとは

アンティーク時計 ムーブメント交換

時間の進みがおかしい…突然動かなくなってしまった…など、時計は長く使っていれば何らかのトラブルが発生することはよくあります。

はじめに、ムーブメントの種類や構造を簡単に説明していきます。

機械式とクォーツ式

時計が時間を刻むための動力源として稼働しているムーブメントは、機械式とクォーツ式の2種類に分かれています。さらにそこから機械式は、手巻きと自動巻きがあります。

  • 機械式⇒巻き上げたゼンマイを動力にしている
  • クォーツ式⇒電池と電子回路を動力にしている

機械式とクォーツ式の違いは動力源です。機械式は巻き上がったゼンマイがほどけていく力で針を動かしていますが、クォーツ式は電子回路で針を動かします。

機械式の腕時計は狭い内部で細かい部品が狂いなく動くことで稼働しています。そのため、クォーツ式に比べて衝撃に弱く定期的なメンテナンスが必要などのデメリットはありますが、世代を超えて長く使い続けることが可能という大きなメリットがあります。

その一方で、クォーツ式の腕時計はコストパフォーマンスが高いため、高級ブランドの時計でも機械式より安く購入できます。電池が切れるまでは基本的にメンテナンスは必要なく手間もかかりませんが、機械式に比べれば資産価値が低く、高級ブランドのモデルの中にはそもそもラインナップされていない場合もあります。

機械式とクォーツ式はそれぞれ一長一短で異なる個性を持っているため、一概にどちらが良いとは決められません。自分が腕時計に求めていること、または利用シーンなどを考えながらムーブメントは選択することをおすすめします。

機械式の手巻きと自動巻き

前述したようにムーブメントの機械式は、手巻きと自動巻きに分かれています。それぞれの違いは以下の通りです。

  • 手巻き⇒ゼンマイを自分の手で巻き上げる
  • 自動巻き⇒ローターが回転してゼンマイを自動で巻き上げる

クルクルと回転している高級腕時計収納ケースを見たことはありますか?あれは腕時計を綺麗に飾るという意味合いもありますが、それ以外にも動きをつけることでローターを回転させ、ゼンマイの動きを止めないようにするという意味を持っています。

自動巻きは、時計をつけている間は腕の動きに合わせてゼンマイを自動で巻き上げてくれるため時計の針が止まることはありませんが、手巻きは自分でリューズを回してゼンマイを巻き上げなくてはいけませんので、途中で針が止まることもあります。

一見すると手巻きはただ面倒なだけで良いところがないように感じてしまうかもしれませんが、内部構造がシンプルなので、自動巻きよりも厚みを抑えることができるというメリットがあります。

機械式とクォーツ式のように、手巻きと自動巻きもどちらが良いとは断言できません。自分の好みで選択するようにしましょう。

アンティーク時計のムーブメントを交換する方法

アンティーク時計 ムーブメント交換

アンティーク時計のムーブメントを交換する際は、まず自分で交換するか業者へ依頼するかを検討します。

時計の種類や使用しているムーブメントにより若干の差異はありますが、専門業者へムーブメント交換を依頼する場合は、費用は3,000円から5,000円ほどです。自分で交換する場合はムーブメントの価格のみなので、値段に重点を置いて考えるのであればこちらの方が安上がりです。

自分でアンティーク時計のムーブメントを交換する場合は、交換用の新しいムーブメント、ピンセット、ドライバーを用意して以下の手順で行いましょう。

  1. 時計の針を外す
  2. 文字盤の穴の部分についているビスを外す
  3. 文字盤の裏から新しいムーブメントを取り付ける
  4. 時計の針やカバーを戻す

作業自体は簡単ですが、文字盤の突起部分と幅や高さが合っているムーブメントでなければいけないため、サイズ選びが非常に重要です。突起部分とサイズが合っていなければ固定することができませんので、新しいムーブメントと交換できません。

また、針のサイズと新しいムーブメントに空いている穴のサイズも合っている必要があります。事前にそれぞれのサイズと、そもそも針を外してムーブメントを交換できる構造になっているアンティーク時計なのかどうかを確認しておきましょう。

慣れてくれば自分でも簡単にムーブメントを取り外し交換できますが、慣れていない方、または大切なアンティーク時計だという方はプロへ依頼することをおすすめします

ムーブメントの交換はオーバーホールに出した時に時計技師の方から提案されることもありますので、そのタイミングで交換を検討するのも良いでしょう。

オーバーホールがすべての部品を分解して洗浄するのに対して、ムーブメントはひとつの部品を交換するという作業になりますので、業者へ依頼しても費用が安いです。動かなくなってしまったアンティーク時計であれば、故障の原因を時計技師の方へ確認してもらい、その流れで原因がムーブメントであればそのまま交換してもらうという流れが一般的かと思います。

アンティーク時計におけるムーブメント交換の必要性

アンティーク時計 ムーブメント交換

アンティーク時計には明確な定義がありません。しかし、現在は「1950年代から1960年代までに作られた機械式時計」をアンティーク時計にカテゴライズするのが一般的になっています。

そもそもクォーツ式の腕時計が誕生したのが1970年代に入ってからなので、アンティーク時計は機械式のムーブメントで作られています

機械式時計の魅力は、半永久的に稼働できるという点です。クォーツ式は10年もすれば動かなくなってしまうことも珍しくありませんが、機械式は丁寧なメンテナンスを常に心がけていれば、時代を超えて何十年先でも使うことができます。

手で組み立てることを前提にしている機械式の時計は、ほとんどの場合が修理して動かすことが可能なので、使用可能年月は半永久的であるといっても過言ではありません。

しかし、アンティーク時計は、製造から数十年が経過しているものです。定期的なメンテナンスにより動き続けている時計がある一方、長年放置されていて動かなくなってしまった時計もたくさんあります。

動かなくなってしまったアンティーク時計に再び時を刻んでもらうためには、新しいムーブメントへ交換するという方法もあります。その後、定期的なオーバーホールにより、そのアンティーク時計は長きに渡り時間を刻む大切なパートナーになっていくのです。

まとめ

ムーブメントの種類、交換方法、必要性を紹介してきましたが、参考になりましたか?

機械式のアンティーク時計は、長い歴史と伝統により高いステータスを持ちます。機械式ムーブメントの精密で複雑な構造、定期的なメンテナンスにより半永久的に使えるという特長は、電池を原動力にするクォーツ式とは違う魅力があります。

アンティーク時計の不具合を解消するための手段として用いられるムーブメントの交換は、オーバーホールとは似て非なるものです。オーバーホールの目的は、時計を分解して汚れを取り除き今ある部品を使える状態にするというもの。ムーブメントの交換は新品に入れ替えるものなので、根本的な作業内容に違いがあるということを覚えておきましょう。

しかし、ムーブメントを交換するタイミングをオーバーホールで知る場合もあります。定期的なメンテナンスはアンティーク時計を長く使い続けるために不可欠なものなので、交換だけではなくオーバーホールも忘れずに行いましょう。

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