アンティーク時計をオーバーホールに出す必要性と値段相場
アンティーク時計
数十万円から数百万円といった金額で取引されることも珍しくないアンティーク時計。
高級ブランドの腕時計は「一生もの」と表現されることもありますが、長く使い続けるためには定期的なメンテナンスが不可欠です。特にアンティーク時計の場合は製造から長い月日が経っているため、正常に動くようにする目的などでオーバーホールを考えている方が多いでしょう。
ここで気になってくるのが、オーバーホールの必要性と値段の相場です。アンティーク時計をオーバーホールに出す時の値段の相場を把握していなければ、高額すぎる修理費用を取られてしまうかもしれません。
本記事では、アンティーク時計をオーバーホールに出す必要性と値段の相場を紹介していきます。動かなくなったアンティーク時計を蘇らせたい、または長く使い続けるためにメンテナンスしたいと考えている方は、ぜひ最後までご覧ください。
オーバーホールと修理の違い
オーバーホールは直訳すると「徹底的に点検する」という意味です。
時計だけではなく車、楽器、バイクなどにも使われる言葉で、部品単位まで細かく分解して掃除や調整を行い、再び組み立てて作業や点検することを指します。
アンティーク時計に限らず、細かい部品が多く内蔵されている時計は3~5年に1回はオーバーホールをした方が良いと言われています。この期間はあくまでも目安で、使用頻度や時計の種類によっても異なります。大切に長く使い続けるためには、必要に応じたオーバーホールを心掛けましょう。
そもそも時計が動かなくなる理由は、大きく分けると以下の3点が挙げられます。
- パーツの消耗や破損
- ゴミや汚れが詰まっている
- 油が切れている
オーバーホールが時計の部品をすべて分解して細かい箇所まで洗浄や点検をする作業であるのに対して、修理は不具合がある箇所を直して正常な状態に戻す作業です。
つまり、オーバーホールは上記のような時計が動かなくなった原因の早期発見と解消が目的で行うものなので、破損などで動かなくなってしまった時計を直すことはできません。
アンティーク時計をオーバーホールに出す必要性
複雑な仕組みで作られている時計は、アンティーク時計に限らず定期的なオーバーホールが不可欠です。ここからは、その必要性について詳しく解説していきます。
劣化を防ぐことができる
アンティーク時計をオーバーホールに出す最大のメリットは、劣化を防ぐことができる点です。
とくにアンティーク時計は、製造から長い年月が経過している場合がほとんどです。パーツの劣化、消耗、油切れ、針取れ、針ズレなど、さまざまな経年劣化による損傷が想定できます。
オーバーホールに出せばアンティーク時計の今の状態が分かり、きれいに洗浄されることで劣化を防ぎ、長く使い続けられるようになります。
アンティーク時計のなかには、生産が終了してしまっているもの、現行品にはないユニークなモデルなど、今販売されている時計では変えられない特別な価値があります。
大切なアンティーク時計の劣化を防ぎ、いつまでも長く使い続けるようにするためには、経年劣化を防ぐオーバーホールが不可欠なのです。
故障の原因を特定できる
オーバーホールは中身をすべて分解して点検するため、動かなくなった原因の究明が可能です。そのため、しばらく使っていなかった動かないアンティーク時計は、修理に出す前にまずオーバーホールに出すことをおすすめします。
完全に動かなくなってしまった原因がパーツの破損などであれば修理に出さなければいけませんが、しばらく使っていなかったアンティーク時計の場合、動かない原因がゴミや汚れの詰まりである場合も多いです。
また、故障の原因を特定しなければ修理にも出せませんので、しばらく使っていなかったアンティーク時計を再び使う際は、まずはオーバーホールに出してからということを覚えておきましょう。
オーバーホールの値段相場
オーバーホールは、メーカー正規店で行うか民間の時計修理業者に依頼するかで値段の相場が大きく変わります。
- メーカー正規店⇒5万円~10万円
- 時計修理業者⇒2万円~6万円
劣化したパーツの交換代を含まずに上記の値段が相場となりますので、安さを求めるのであれば民間企業が運営している時計修理業者への依頼がおすすめです。
アンティーク時計をオーバーホールに出す際に注意しなければいけないのが、交換パーツがないケースです。正規メーカーの場合、現行モデルのパーツは用意があっても古いアンティーク時計のパーツがない時があります。
その理由は、廃盤となった後の交換部品の保持期間が決められているからです。
ロレックス | 25年 |
オメガ | 10年 |
セイコー | 7年 |
グランドセイコー | 10年 |
ブライトリング | 10年 |
交換部品の保持期限は平均して10年程ですが、国内メーカーは約7年です。アンティーク時計は製造してから10年が経過しているケースが多いので、正規メーカーで部品を保管している可能性は低いでしょう。
正規メーカーで交換部品がないとなると、頼りになるのは時計修理業者です。業者の場合、万が一お店に交換部品の保管がなかったとしても業者同士の横の繋がりで入手してくれるケースもあります。
アンティーク時計のオーバーホールを依頼する場所
最後に、アンティーク時計をオーバーホールする場所であるメーカーと時計修理業者それぞれの違いを解説していきます。
メーカー
正規メーカーへアンティーク時計のオーバーホールを依頼するメリットは、高い技術力とメーカー保証です。
メーカーには専属の時計技師がいるため、自分たちで作り上げた時計を見るプロが揃っています。すでに販売されていないアンティーク時計のような特殊な時計の場合、民間の修理業者では修理ができないケースがありますが、正規メーカーではそのようなことはありません。
確実な腕を持つ時計技師が純正のパーツを使用してオーバーホールするため、失敗が少ないと言えるでしょう。さらに、万が一の事態を想定したメーカー保証により、オーバーホールの後に不具合が出ても無料で対応してもらえます。
一方で、費用が高額になり納期までに時間がかかるというデメリットがあることも忘れてはいけません。
海外メーカーの場合は製造元の工場でなければ対応できない場合もあるため、戻ってくるまでに半年から1年の月日が必要なケースもあります。
費用を抑えたいと考えている方、またはオーバーホールをすぐに終わらせて使いたいと考えている方にとっては、正規メーカーへのオーバーホールの依頼は合わないかもしれません。
時計修理業者
民間の時計修理業へアンティーク時計のオーバーホールを依頼するメリットは、料金が安く納期が早いという点です。
もちろん時計の種類や故障個所などにもよりますが、費用は約半額であり、納期も2週間から1カ月程で対応してもらえるのが一般的です。
一方で、業者によって技術力に大きな差があるというデメリットがあります。
当然ですが、時計修理業者に勤めているすべての時計技師の腕が一流なわけではありません。とくにアンティーク時計の場合は現行モデルの時計よりも複雑な部品が内蔵されていることが多いため、時計技師の技術力は非常に重要です。
そのため、民間の時計修理業者に依頼する場合は、必ず時計技師の技術力と対応力を確認するようにしてください。
正規メーカーのように保証がない場合も多いため、ただ安いからという理由だけで時計修理業者に依頼して何らかの不具合が出てしまえば、取り返しがつかない事態に陥る可能性もあります。
まとめ
アンティーク時計をオーバーホールに出す必要性や値段相場を紹介してきましたが、参考になりましたか?
時計を長く使い続けるためには、オーバーホールは不可欠です。とくにアンティーク時計の場合はパーツの損傷や劣化、汚れなどが原因で動かなくなっているケースが多いため、オーバーホールでかつての輝きを取り戻し、末永く使える状態にしましょう。
新たなアンティーク時計を手に入れたいと考えている方は、独自のセレクションにより充実のラインナップを揃えている「黒船時計店」をご活用ください。
黒船時計店では、使える状態でアンティーク時計を渡したいという思いから、オーバーホールをして綺麗にした状態で商品をお渡ししています。また、オーバーホールをした時計の1年間の動作保証と、日本では初となる無期限の買い戻し保障サービスも提供しています。
アンティーク時計の購入を検討している方は、ぜひ日本最大級の品揃えを誇る黒船時計店へ気軽にお問合せくださいませ。