現在生産されている腕時計とはひと味違ったレトロなデザインで、時計好きの心を惹きつけてやまないアンティーク時計。流通数が限られているため、他の人とかぶりにくいというメリットがあります。

ほとんどのアンティーク時計がゼンマイによって動く機械式時計で、時計職人の技術やこだわりが詰まっています。古い時代のものは、職人が一つひとつ部品を組み上げて作っているので、同じモデルでも若干異なる味わいを感じられる点も、一点ものを好む方を魅了する理由のひとつなのです。

この記事では、1968年製おすすめモデル5選と、アンティーク時計の購入店を選ぶ際の3つのポイントについてご紹介します。

1968年製おすすめモデル5選

アンティーク時計は、文字盤や針の1本をとっても贅沢に作り込まれています。1970年代以前に、一つひとつ大切に手作りされていた時代の技術の結晶が詰まっているのです。

ここでは、セイコーが世界ではじめてのクオーツ式腕時計の販売を開始した1969年の前年、1968年製のおすすめモデルを5つご紹介します。

「セイコー グランドセイコー 61GS」

1968年当時、セイコーの最高峰モデルとして発売された61GS。国産初の自動巻10振動モデルです。

グランドセイコーは1960年代以降、国産機械式時計のトップに君臨し続けています。スイスのクロノメーター試験よりさらに厳しい規格をクリアした、日本の技術の結晶といえる名機です。

諏訪精工舎（服部時計店の製造、開発部門として設立された会社群が名乗っていた名称）が開発した自動巻機構、マジックレバー方式を採用。1968年に発売されると市場から高い評価を受けました。

12時から6時、3時から9時の方向に入っている線は、時間をわかりやすくするだけでなく、デザインとしてもポイントになっています。文字盤はスタンダードな円形なので、シーンを選ばずつけられるでしょう。

オメガ「スピードマスター Cal.861」

人類がはじめて月面に降り立ったときに装着されていた時計として有名な「オメガ スピードマスター」。1957年に誕生し、その後1957年、1963年、1965年とマイナーチェンジを繰り返してきました。

1968年、スピードマスターは第五世代へと突入します。外装は変わりませんでしたが、搭載ムーブメントがCal.321からCal.861へと変更されました。Cal.321をベースとし、1967年にスピードマスターの第2世代キャリバーとして開発されたCal.861は、コストダウンを図るとともに精度の向上と耐久性を高めた仕様となっています。

これは、時計の大量生産期に移行する1960年代後半という時代背景と、NASAが採用したことでスピードマスターが売れはじめたことで、量産しやすいムーブメントへの変更が必要になったためだといわれています。

チューダー「プリンスオイスターデイト」

ロレックスのディフュージョンブランドであるチューダー。1926年のブランド登場から1990年代あたりまでは、ロレックスの雰囲気を残したデザインやラインナップを展開していました。

12時位置のインデックスに、存在感のある大きな薔薇が入る、通称デカバラと呼ばれているモデルです。名家チューダー家の家紋をあしらったチューダーズローズは、立体的な造形となっています。さらに、オイスターケースに王冠リューズなど、ロレックスらしさのあるデザインが目を惹きます。

モデル名の「プリンス」は、自動巻のことを表しており、手巻きモデル「オイスターデイト」よりも個体数が少なく希少性が高いのが特徴です。

花びらのようなデザインのクサビインデックスがアンティーク時計らしさを醸し出し、スーツにもカジュアルにも使いやすい逸品となっています。

シチズン「クリステート・デラックス」

セイコーと並ぶ有名国産時計ブランド、シチズンのクリステート・デラックス。本中三針の手巻き傑作普及期であるシチズンホーマーをベースにした高機能腕時計です。

21石搭載モデルとして1967年にクリステートが登場した翌年、1968年に22石モデルとしてクリステート・デラックスが発売されました。1967年のクリステートよりも生産数が少なく、1.3倍ほど高い価格で販売されていたようです。

秒規制つき、クリスタルガラス、ステンレスケース、スクリューバックといったさまざまな特徴を併せもつ時計で、国産時計のよさを存分に味わえます。

外周にメモリ入りのインデックスリングを装着することで、文字盤が大きく見えるのも魅力です。

IWC「アクアタイマー Ref.816AD/1816」

1960年代、アメリカを中心としたマリンスポーツブームが巻き起こりました。それに伴い、防水度系の需要が急激に高まり、時計メーカー各社がこぞってスポーツ向けダイバーズウォッチを開発します。

IWCもその影響を受け、1967年に初のダイバーズウォッチ「アクアタイマー」を発表しました。その後継モデルであるアクアタイマー Ref.816AD/1816は、1968年3月に市場に登場します。

前年発表されたアクアタイマーの防水機能を200mから300mへと高め、結露もしない特別な時計でした。しかし、2つ併せた生産数は約2,000本。初代と第2世代のアクアタイマーは、あまり売れなかったようです。

伝統的なブラックに加えて、レッドやブルーの影が施された色鮮やかな文字盤が非常にめずらしく魅力的な逸品です。

アンティーク時計の購入店を選ぶ際の3つのポイント

アンティーク時計は、現行品のように今も作り続けられているものではないため、「このモデルが欲しい」と思ったときに必ず手に入るわけではありません。しかし、いいものがあれば購入しようという方は、購入店を厳選する必要があります。

アンティーク時計を購入する際、お店選びは非常に重要です。アンティーク時計は時計屋によって基準が異なるため、商品を選ぶ前にまずはしっかりと購入店を見定めましょう。

ここでは、アンティーク時計の購入店を選ぶ際の3つのポイントについてご紹介します。

アンティーク時計専門店で選ぶ

アンティーク時計の購入を検討する際、もっとも大切なことはアンティーク時計専門店で購入することです。

現行モデルではあまりないことですが、アンティーク時計は写真で見るよりも傷があったり、色が違ったりする場合があります。アンティーク時計専門店であれば、実際に手に取って見られるので、自分の腕に合わせてバランスを見たり操作してみたりと吟味できます。

ネットで買うなら返品保証制度があるところで

現代では、ネットショップで欲しいものを購入することが多くなりました。アンティーク時計をネットで購入する場合、写真のみでその商品を判断しなければいけません。

アンティーク時計は現在の時計よりも小さめのサイズのものが多いことや、写真と色味が違って見えることもあるため、注意が必要になります。

また、ネットオークションやフリマサイトなどは、もっとも難易度が高い購入方法です。とくに高級ブランドのアンティーク時計だとコピー品や故障品の心配も出てくるのでやめておくのが無難です。

遠方に住んでいる、忙しくてお店に行く時間がない方は、ネットで購入する場合もあるかもしれませんが、そのときは返品保証制度があるところを選ぶようにしましょう。

優良店舗を選ぶ

アンティーク時計は、購入後もメンテナンスやアフターサービスなどで購入店にお世話になることも多くあります。機械式時計は修理すれば永久的に使えるとはいえ、きちんとしたメンテナンスをしてくれないお店を選んでしまうと、後悔することになります。

以下は、優良店舗の特徴です。

• メンテナンス済みの状態で店頭に並べている
• 保証制度、アフターサービスが充実している
• 保証期間が1年以上設けてある
• 専門知識を持った従業員が接客してくれる
• 口コミがよい

アンティーク時計には相場があり、状態によって価格の目安があります。優良店舗は相場に則った価格設定を行っているため、異様な安売りをすることはほとんどありません。

また、店舗の内装や外装にこだわっているお店を選ぶのもよい方法です。上記のことを踏まえて、アンティーク時計は優良店舗で購入するようにしましょう。

まとめ

1968年製おすすめモデル5選と、アンティーク時計の購入店を選ぶ際の3つのポイントについてご紹介しました。

機械式時計は、その時代ごとに技術面や生産数も大きく変わります。

昔は生産数が限られていたため、生産性よりもデザインや造りが重視されていました。しかし、クオーツ式時計が主流となっていく直前の1960年代後半には、生産できる数も多くなり、それに伴ってデザインや造りも簡素化されていきました。現代では、シンプルで実用的な時計が、逆にレトロ感を漂わせるのです。

1968年製のアンティーク時計は流通数も比較的多く、はじめてアンティーク時計を購入する方はもちろん、時計好きの方をうならせる名機も多くあります。

欲しいモデルが決まっている場合はそのモデルの在庫がある店舗で購入すればよいですし、決まっていない方は複数の店舗を回って探してみるのもよいでしょう。

本文でもご紹介したように、アンティーク時計を購入する際は店舗選びが大切です。

「黒船時計店」は、ご購入いただいたアンティーク時計を無償でメンテナンスいたしますので、安心してご使用いただけます。オーバーホールをした時計は1年間の動作を保証しているので、1年以内の動作不良などはお気軽にご連絡ください。

また、日本初の無期限の買い戻し保証特約をご用意しておりますので、いろいろな時計を楽しみたい方は「黒船時計店」をぜひご利用ください。